フリーランスで自宅の住所を公開するとこんなデメリットが!
働き方が多様化している現在では、従来のように会社に所属して働くという選択肢だけではなく、自らの技術や知識を活かして働くというフリーランス(個人事業主)という生き方を選ぶ方も増えています。今回はそんなフリーランスとして活動していくことを選択した方に向けて、働く場所を自宅にした場合のデメリットを中心に解説していきましょう。
フリーランスの方が悩みがちな事務所問題
先行きが不透明な現代。会社に所属していれば安泰という時代は、遠い過去の話しになってしまいました。一昔前までは、「起業はリスクが高い…」「フリーランス(個人事業主)で仕事をしていくためにはかなりのスキルとコネクションがないと難しい…」などといわれていました。しかし、現在ではコロナ禍などの時代背景も後押ししたことで、働き方が多様化し、従来の働き方にとらわれない方も増加傾向にあります。そんな、フリーランスとしてやっていこうと考えたとき、事業内容等については綿密に準備をしているにも関わらず事務所(働く場所)をどうするのかということについては、後回しにしている方が非常に多くいます。
フリーランスとして仕事を始めるにあたり、働く場所として考えられるのは、大きく分けて3つあります。ひとつ目は、初期投資を抑えるために「自宅」を事務所として利用する方法。2つ目は、会社に勤務するのと同様に「賃貸事務所」を借りて仕事をする方法。この2つが一般的な方法といえます。そして3つ目は、近年多くなってきた「バーチャルオフィス」を利用する方法です。それぞれメリット・デメリットがあるので、内容をご理解いただいたうえで、ご自身にあったものを選択することが重要でしょう。
賃貸と自宅どちらを選ぶべきか
事務所問題は、多くのフリーランスの方が頭を悩ませるものです。ここでは、フリーランスの方がよく選択をする事務所を賃貸事務所にする場合と自宅にする場合のメリット・デメリットを比較して見ていきます。
賃貸の場合
まず賃貸事務所の場合、メリットとしては、仕事専用の場所が確保できるという点でしょう。業務内容によっては、クライアントなどと対面で打ち合わせをしなければならないこともありますが、賃貸事務所であれば、時間を問わず対応することができます。また、業種問わず、独立した事務所を構えている方が、取引先から見たときに社会的な信用を得やすくなるのは間違いありません。この信用度は、取引だけではなく、融資などを受けるときにも優位に働くといえます。
このメリットに対して、デメリットといえるのが、金銭面です。賃貸なので、入居時には当然、敷金や礼金、その他内装工事費などの初期費用が発生します。入居後は毎月の賃料や管理費が発生するため、予定よりも収益が上がっていないという状況になったとしても毎月の固定費は重くのしかかってくるので、その点はデメリットといえるでしょう。
自宅の場合
対して自宅兼事務所にした場合はどうでしょう。なんといっても大きなメリットといえるのが、事務所を探し契約するという手間がかからず、初期費用も最低限に抑えられるという点です。ほかにも「通勤時間がかからない」「家事や育児との両立がしやすい」という点もメリットといえます。
デメリットといえるのは、やはりプライベートとの線引きが難しいという点です。ドアー枚を隔てて生活空間があるので、気持ち的にも切り替えが難しいという側面があります。また、家族の理解が不可欠な点や打ち合わせがしにくいこともデメリットといえるでしょう。
自宅住所を公開するのはリスクがある!
前項で、フリーランスの方が事務所(働く場所)を構えるとしたら、賃貸と自宅どちらがよいのか、代表的なメリット・デメリットを紹介しました。どちらも一長一短ありますが、初期費用や固定費などの費用面を重視する方は、自宅を事務所にする傾向にあります。しかし、自宅を仕事場にするということは、名刺やホームページなどに住所を記載する必要が出てくるのです。自宅を事務所にすることを考えているのであれば、自宅住所を公開することのデメリットも知っておく必要があります。
自宅住所を公開するデメリット
まず、事務所の住所をさまざまなところに公開するということは、事務所兼自宅の場合、自宅も特定されてしまうことになります。仕事上で何らかのトラブルが発生した場合には、通常であれば会社で話し合いなどすることができますが、それが自宅となると最悪の場合、家族も巻き込まれる可能性があるのです。自宅を事務所として利用することは確かに、初期費用や固定費を抑えるという費用面でのメリットはありますが、このようなリスクも踏まえ選択する必要があります。
バーチャルオフィスの活用で問題解決!
事務所問題は、このようにフリーランスの方にとっては頭の痛いものです。近年そのような問題の解決方法として注目を集めているのが、バーチャルオフィスの活用。バーチャルオフィスとは、その言葉の通り、「実在しない仮想空間上のオフィス」のことです。仮想空間上のオフィスなので、実際に机やパソコン、OA機器があるわけではなく、その場で仕事をすることもできません。
しかし、バーチャルオフィスを利用することで、実在する住所を借りることや事業用の住所として銀行口座を開設したりすることができます。また、事業を行う上で郵便物のやり取りが発生した場合は、代理で受け取り転送してくれるサービスもあります。ほかにも電話の受付代行や転送サービスも行っているので、自宅の固定電話番号や個人の携帯電話番号を公開する必要もありません。
そして、実在する事務所を借りるよりも安価な費用で利用できるため、需要は高まっています。しかし、弁護士や税理士などの土業や人材派遣業など一部の業種においては、専用スペースが必須であるため、バーチャルオフィスでは開業できないなどといった注意点もあるので、事前に確認する必要があるでしょう。
働き方が多様化し、フリーランスになる方が増えている現在。フリーランスといえば、まずは自宅でと考える方が多くいますが、自宅開業には、多くのメリットがある反面、デメリットもあることが理解いただけたのではないでしょうか。今回はそんなデメリットを解消する方法として、近年注目を集めているバーチャルオフィスを紹介しました。これからフリーランスとして活動していくことをお考えの方は、バーチャルオフィスの活用を検討していただくことをおすすめします。
